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※初回エントリ 2012/4/26 

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先週、忍野八海の土産物屋さんでカミサンが買ったストラップ。
観光を終えて一旦クルマに乗り込んだ後、
 
『どうしても欲しいから、やっぱりもう一度見てくる』
 
そう言って店に引き返し、
その後20分間戻ってこない原因となったシロモノです。
 
 
忍野を出発すると、
カミサンが興奮冷めやらぬ様子で切り出した。
 
  見てよ、凄いでしょ。【水牛の角】で出来てるのよ、コレ。
  顔のつくりの良いやつを探すのがタイヘンだったのよ。
  【水牛の角】の模様がいい感じでしょ。
 
どうやら【水牛の角】が使われているところが気に入ったらしく、
しきりにそこを強調する。
 
商品は手作り品のせいか仕上がりに個体差があり、
顔つきの良いフクロウを選ぶのに20分も掛かったようだ。
 
   二つともいい顔でしょ。どう?
 
あぁ、いいね。
 
   でしょ。
   二つ選ぶの、タイヘンだったんだから。
   お揃いよ。
 
お揃いって、誰が使うの?
 
   何、言ってるの。
   二人で使うに決まってるじゃない。
 
俺がストラップ使わない人で、
お揃いとか大っキライな人だって知ってるでしょ。
 
   いいじゃない。せっかくの記念旅行なんだから。
   どっち使う?
 
どっちでもいい。
 
   もっと真剣になってよ。
 
じゃぁ、黒いほう。
 
 
そう答えるとカミサンはとんでもないことを言い出した。
 
   ・
   ・
   ・
 
   さっき、牛がいたよね。
 
(もしかして・・・)
 
   あれ、水牛かしら。
 
(やっぱり・・・)
 
さすがに此処には水牛はいないだろう?
 
   いたわよ。
 
(山梨に水牛などいるはずがない)
 
ウソだろ? 
 
   山梨って宝石の加工とかで有名でしょ?
   だから、このストラップもこのあたりの【水牛の角】を使ってるのよ。
   きっとそうだわ。
 
(面白いから話合わせとくかw)
 
あぁ、だったらそうかもね。
水牛の角って貴重で高価なんだぞ。知ってる?
 
   ハンコとかも高いものね。
   でも、これ一つ420円なんだよ。凄いでしょ。
 
最高級品の実印と同じ材料でその値段!
ビックリだね。
 
   でしょ。
 
結婚三十周年に縁起がいいかもよ。
 
   ふふふ♪ いい記念になるでしょ。
 
山梨産の水牛の角で出来たアクセサリーなんて
なかなか手に入らないぞ。
 
(そんなの売ってたらニセモノに決まってる)
 
カミサンは実に嬉しそうにしげしげと眺めていた。
完全に【水牛の角】と信じ込んでいる。
せっかくだから、そのままにしておくことにした。

   ・
 
そして、二日後。

   ・
 
もう、さすがに気づいたろうと思い、さりげなくカミサンに振ってみる。
 
すると・・・
 
   本当にいい買い物したわよ。【水牛の角】だもんね。
 
やはり、依然として【水牛の角】である。
 
しかも、新たな事実が・・・
 
 
   買った(顔の良い)二つ、上手く隠した甲斐があったわ。
 
隠した? 何それ? どういうこと?
 
   最初、買うかどうか悩んじゃって・・・。
   戻った時のことを考えて、目を付けた顔のいいやつが
   ほかの人に買われないように、
   商品の山の下の方に隠しておいたのよ。   

(土産物屋で小学生並みの隠蔽工作!? 何してんだよ・笑)
   
水牛の角】だから必死だったんだ。
 
   そうなのよ。
 
凄いなぁ。そりゃ、執念出したねぇ。
恐れ入りました。



思い込みに加え、舞い上がっていたのか
本人はタグの表示を全く認識していない。

0056d231.jpeg

私は最初に見せられた時から気づいていた(笑)

この呆けっぷりをシアワセなことと捉えるなら、
確かに幸福を呼んだようにも思えるが・・・。

こうして三十一周目に突入。







PR
カミサンは通勤に地下鉄を利用している。
最近、乗車するたびに必ず目をむけて読み込んでしまう
中吊りポスターがあることを私に教えてくれた。
ネットで調べてみると、それは東京メトロが募集している
「メトロ文学館」という詩の作品展の入選作だった。

   ・

メトロ文学館 第14回発表作品

[ レールの光 ]

ホームのベンチに腰かけることなど
自分にはないと思っていた

誰かを待っているのではない
待たれているのだ 年老いた母によって・・・・・・
枯れつつもなお 頑なさを増してゆく母に
つい きつい言葉を浴びせてしまう

また一台 電車をやり過ごしてしまった
母はもう あの頃の母ではないのだ

納得できない重い体 立ち上がった瞬間
目の先のレールに 光が走り
電車がおおいかぶさった
闇を進む地下鉄のような 母の行方
その先を照らす 光となれるのか 私は


作者:大島恵美子さん(東京都杉並区在住57歳)

   ・
   ・

やがて自分の母親にも、こんな時が訪れるだろう。
作者ほど追い詰められた状況ではないものの、
段々と近づいている予感もある。
もしかすると、もう足を踏み入れているのかもしれない。

仕事をしなければ生活はできない現実。
でも、それとは裏腹に確実に進んでいく身内の事態。
初めて読んだ時、カミサンは作者と自分自身、
そして、自分の義母にイメージが重なり
思わず涙をこぼしてしまったそうだ。


感謝。



【転用】
詩の部分は、東京メトロのHP上に掲載されている
ポスターの画像を参考にリライトさせて頂きました。





カミサンが腰を痛めてしまい、職場近くの整体医に通っている。
保育士は肉体労働者なので、腰以外にも首、背中と凝り固まっており、
部位としては全体的にマッサージを受けることになる。
カミサンの担当は若い助手クンで、相方の話によれば
どうやら彼は歌舞伎役者の市川海老蔵に似ているそうだ。
この海老蔵クン、施術前の腹這いになった患者(カミサン)に
必ず確認することがある。
 
「下着のホックを外してもよろしいでしょうか?」
 
ホックを外さなければマッサージは出来ないのだから
極めて当たり前の慣例句的な問いかけに過ぎないのだが、
カミサンはヘンに緊張してしまうそうだ。
 
・・・んなアホな(笑)
 
『毎回、そのセリフが出ると微妙な間ができちゃうわけよ。
 相手も緊張してる気がするのよね』
 
と、本人は言うが、
業務上の手続きをしているに過ぎない海老蔵クンが
五十歳も半ばにさしかかっているオバサン患者を相手に
緊張などするワケがない。
例えば、これが温水(ぬくみず)さんに似ている人だったら、
カミサンだってそんなことを感じるはずもないので
海老蔵(っぽい人)だから・・・ゆえの本人の完全な思い込みである。
 

カミサンをからかってみた。

 
「下着のホックを外してもよろしいでしょうか?」って訊かれたら
 
“私のほうがヘンな気を起こしてしまうと困るのでやめてください”って

冗談咬まして答えてみれば?
 

すると、


「信じられない・・・」とでも言いたそうな
呆れ顔のカミサンから間髪置かずに言葉が発せられた。
 
 
『この下衆野郎!』
 
 
生まれて初めて言われたが、何だろう?
最下級の単語を吐かれた割には不思議にキモチがいいぞ(笑)
 
 
 
 
56's profile
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Goro
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67
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男性
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1957/06/07
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東京の下町(深川)で生まれて育ちました。ギター演奏と写真撮影が趣味。神楽坂と北海道が好きです。
56's hobby 【Guitar】
ギタリストの岸部眞明さんの音楽に出会って感化され、46歳の時からギターを弾き始めました。下記のページに録音音源をアップしています。

◆Goro's guitar play


《所有ギター》
Hiramitsu-SJ 56's custom
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56’s theater
*******工事中******* 趣味で撮影した写真をBGM付きのスライドショーにしています。
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