燃えろいい女

ＰＣの前でカミサンと横並びに座り、
Amazonの画面を覗き込んでスクロールを続ける。

「あ、それ、ストップ！」

　　　う～んんん、イマイチかなぁ・・・。

「はい、次」

　　　これもちょっと・・・。

「戻って」

　　　派手かなぁ・・・。

悩んでいるのはカミサン。

水着を探しているのです。

水着といっても職場で使うためのもの。

７月になると保育園はプール開きを迎える。

オバサン保育士も水着が必要になるワケです。

仮に・・・

若い頃、二人並んで今と同じ状況を迎えたなら、

間違いなく際どいデザインのものを勝手に選びつつ、

『いいじゃん、いいじゃん。これ、バッチリだよ』

などと、からかって自分も楽しんでいただろう。

が、

今や、ちょっかいを出す気にもならない。

水着選びに高ぶる要素を見い出せないというか、

全くときめかない。

理由は明らかだ。

今、自分の隣に『燃えろいい女』はいないのである(笑)

面倒くさいなぁ・・・。

早く決めてくれないかなぁ・・・と、

だらだら、だらだら、スクロールを続ける。

ようやく決まったようである。

『いいんだよね、これで』

「そう、青でＯＫ。青よ。間違えないで」

『じゃ、注文するよ』

サイズと色を確認していざポチッとしようとした時、

ある文字列が目に入った。

(ぷぷっ。この水着のキャッチポイント、魅力的。面白いじゃん)

違った意味合いで高揚した。

『最終確認するけどさ、この“体型カバー”ってヤツでいいのかな？』

「そうよ」

『間違いないね？　この“体型カバー”ってヤツでいいんだよね？』

「いいって言ったでしょ。しつこいのよ」

『分かった。じゃ、この“体型カバー”ってヤツで注文する』

「何度も言わなくていいのよ」

『体型をカバーしてくれるんだ。だったらコレ凄く似合うと思うよ』

「余計なお世話です(-.-#)　嗚呼、アタマに来る」

時の流れは残酷。

様変わりした「燃えろいい女」登場(笑)