2005年から書き始めたブログの別館。本編の再掲載と新しい記事を随時アップしています。
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2010年8月23日 本編アップ分からの再掲載です。
---------------------------------------------------------------帰宅途中にカミサンからメールが届いた。
今日は疲れたから外食にします。
クルマで出るから、駅に着く時間が分かったら教えて。
私鉄に乗り換える手間が省けるので私は助かります。
到着予想時間を伝え、駅まで迎えにきてもらうことにしました。
が、
ピックアップしてもらうはずの場所に行くとクルマが見えない。
涼しい駅ビルの地下で待ちましょ、と移動している途中で
携帯が鳴った。
『クルマがおかしいよ。エンジン掛からない。
ボタン押しても掛からない』
ウチの車はスマートキー仕様なので、
ボタンを押せばエンジンが掛かります。
「ランプが点いてるボタンを押してる?」
『分かってるよ』
「しっかり押してる?」
『ずっと押し続けても掛からない』
「ちゃんとブレーキ踏んでから押してる?」
『ブレーキ踏んでるよ。でも掛からない。
これ、バッテリーのせいじゃないの?』
「クラクションは鳴る?」
『鳴ってるよ』
「じゃ、バッテリーじゃないよ。キーの電池切れかもしれないから、
スペアキーでもう一回試してみて」
『分かった。一旦切るね』
・
・
・
『ねぇ、やっぱり掛からないよ』
「おかしいなぁ。じゃ、いいよ、とりあえず家に帰るから」
意味不明の車の故障って気になるじゃないですか。
結局タクシーを拾って帰ることにした。
でも、駅からだと1,200円ぐらい掛かるのです。
勿体無いなぁと思いつつ、乗り込みました。
タクシーが走り出してから、もう一度考えてみた。
やっぱり変だ。
買い換えて一年経ってないし、クルマは大丈夫な気がする。
普通に考えれば、おかしいのはカミサンの方じゃないのか?
っていうか、カミサンに決まってるだろ。
確か、『ランプが付いてる、このランプ何? 何? 何?』 とか
電話の向こうでパニクってたなぁ。
アッ!
エンジンが掛からなかった理由は
多分・・・
そう思った瞬間、携帯が鳴った。
『エンジン掛かったよ。今から行くから』
「遅いよ。もう、タクシーに乗っちゃったって」
多分・・・だ。
何故エンジンが掛からなかったのか、「・・・」のところの
予測はついていた。100%間違いない、あれだ。確信。
車で其処(そこ)まで来るように伝えて、途中でタクシーを降りた。
程なくカミサンが到着。
『やっぱりカギを回して掛ける方がいい。
この、クルマ分からないから嫌い』
「そんなこたぁどうでもいいから、何でエンジンが掛かったか教えろ」
『別にいいじゃない、掛かったんだから』
「いいから言ってみ」
・
・
mute
・
・
「じゃ、代わりに言ってあげようか。お前が押し続けたボタンで
エンジンを掛けられる人間は世界中探しても絶対にいない」
『うるさいッ! 何だって言うのよ』
「ドアミラーのボタンを押してただろう」
『だから、何よ』
「“ランプが点いてるボタン押してる?”って訊いた時
分かってるって言ってたじゃないか。それに、このクルマは
もう何度も運転してるじゃん」
『暗くて見えないし、焦ってたんだからしょうがないでしょ』
「ここまでのタクシー代、返せ」
『いいでしょう、迎えに来てあげたんだから』
「エンジンなんて掛かるはずの無いドアミラーの
ボタンを必死に押し続けてたんだ。
その馬鹿っぷりに免じて今回は特別に許してやる」
実際、電話の向こうから聞こえてくる様子は
墜落間際のコックピットみたいだったのです。
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56's profile
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Goro
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67
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男性
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1957/06/07
自己紹介:
東京の下町(深川)で生まれて育ちました。ギター演奏と写真撮影が趣味。神楽坂と北海道が好きです。
56's hobby 【Guitar】
ギタリストの岸部眞明さんの音楽に出会って感化され、46歳の時からギターを弾き始めました。下記のページに録音音源をアップしています。
56’s theater
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趣味で撮影した写真をBGM付きのスライドショーにしています。