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勇気を出せなかった自分をちょっと悔やんだ。
昨日の朝、電車の中でのことだ。
 
途中駅でランドセル姿の小学生の女の子が五人乗車してきた。
混雑する車内を固まって進み、ちょうど吊り革に掴まる私の背後に位置をとった。
中途半端な高さで不意に当たってくるランドセルの衝撃とともに、
如何にも子供らしい楽しそうなおしゃべりが耳に入ってくる。
 
・・・と、
 
他愛もない誰かのちょっとした言葉が切っ掛けになり、
それに反応して大きな笑い声が起きた。
 
そこからである。
 
その様(さま)が実に子供らしいのだが、
それが、みるみると「遊び」に進化した。
五人の中の一人が声掛け係に任命され、
その子がタイムキーパーの役となって
笑い声をコントロールし始めたのである。
 
「スタート」のコールと共に全員が笑い始め、
「ストップ」の声で全員がピタッと笑いを止める。
 
これが延々と繰り返されたのだが、
この年齢の子供の凄さは、具体的な笑いのネタもないのに
駅にして四つ、下車するまでの三区間に渡って
全員で笑い続けられることだ。
降りなければ、きっと終点まで続けていたと思う。
 
タイムキーパーの子は間隔をランダムに使い分けていたが、
どうやら「スタート」と「ストップ」の間を長く取るのが好きらしく、
ほぼ33%の確率で10秒程度の笑い声タイムが発生した。
 
が、
 
電車内で彼女たち以外の声は聞こえない。
社会性を備えたオトナは、通勤電車の中では当然寡黙であり、
その状況下では、ある意味、小学生の大きな笑い声はノイズでもある。
 
もしかしたら、
 
車中には、
これから得意先に謝りにいくセールスマンがいるだろうし、
朝から夫婦喧嘩をして荒れたキモチのまま乗車した人もいるだろう。
もしかして、内心「うるさいなぁ・・・」と
苛立った人たちがいたかもしれないのだ。
私自身はノイズと感じなかったが、そんな人たちの為にも
彼女たちに物言いをつけたくてジリジリしていた。

と、言うか、その本心は、

単純にからかいたくてしょうがなかった。(笑)
 
スタート!
 
ストップ!
 
スタート!
 
ストップ!
 
あぁ・・・。代わりに言いたい・・・。
 
笑い声パートの時間を短くすべく、
声掛け係の役を奪って仲間入りし、
横ヤリでこの言葉を突っ込んで小学生をからかいたかったが・・・。

実行に移せない自分が悔しい。(笑)
 
 
 
 
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朝の通勤電車の車内で面白いものを見た。

   ・

車両連結部に近い三人掛けシートの端で
オジサンが壁にもたれ掛かって居眠りをしていた。
丁度その席の前の吊り革が空いていたので歩を進める。
カバンを網棚に載せて視線を下に向けると、
オジサンは側頭部と壁との間にポップな柄の黄色いタオルを挟み、
クッションの枕代わりにしていた。
キモチ良さそうに熟睡していらっしゃる。
この時季にはちょっと寒そうなバーコードヘアだが、
派手なタオルとの組み合わせが意外とマッチしており、
微妙にカワイイ。(笑)

心地よい電車の揺れに楽しい夢をみているのだろう、

“ふっ” 

“ふふっ”

オジサンの口元が何度か緩み、寝顔がニヤつく。

   ・

通勤電車の車内にこういう人を見つけることが出来ると嬉しい。
殺風景でサイレントな空間が一転して小劇場に変わったりするのである。
過去の経験値から、このオジサンには相当な“匂い”を感じる。
かなりのパフォーマンスを期待できそうな気がしていた。

案の定、

私が下車するまでの約20分間で
オジサンの様(さま)が微妙に変化していく。
眠りのレベルが高まるにつれ、
オジサンの頭は壁伝いに段々とズリ下がり、

な、な、なんと!

タオルが徐々に、上へ上へとよじ登ってきたのである。

下車駅の直前では黄色いタオルは既に枕の役目を終え、
キレイに四つ折りに畳まれた状態のまま
オジサンの頭のてっぺんまで移動していた。
力学的にどのようなチカラが作用したのか全く分らないが、
タオルは完全にオジサンの頭頂部を制覇している。

サミット!

その姿はとてもフォトジェニックで写真に残しておきたいほどだった。

電車が停車する。
眼下、頂上を覆う黄色いタオルに笑いをこらえながら
網棚のバッグに手を延ばした時、
オジサンの半開きになった口から声とも息とも聞こえる音が漏れた。

“ふぅ~”

露天風呂でゆっくりしている夢でも見ているのだろうか?
ちょうど今、肩まで浸かったところだね、きっと。



昨日、帰宅途中の電車内で面白い場面に遭遇した。
もう下車駅に着こうかという時、座席でスマホをいじっていると
左前方で人影が動いた気配を感じた。
顔を上げてそちらに目を向けると、ドアから入ってすぐ先のスペース、
車両の中央で中年のバーコードおじさんが上半身を大きく捻転している。
見たところ、どうやらおじさんには虫がまとわりついており、
それを避けるために身体を動かしているようだった。

おじさんが太っていたせいでそう見えたのかもしれないが、
私には「動かす」というよりも「踊っている」ようにしか見えず、
虫から逃げ惑う切羽詰った表情も加わり、
それは、半ばトランス状態かと思わせるほどの激しいパフォーマンスだった。
その動きの様から、私はてっきりスズメバチのような
かなり危険な虫がおじさんに絡んでいるのだろうと推測した。

が、

目を凝らして見ると、それはホバリングしておらず、
少なくとも蜂のような危ない虫ではなさそうであった。
ただ、おじさんの様子からして、危険ではないが相当に大きな
得体の知れない虫だろうと想像していた私は、
一瞬、壁に止まったその虫を見て思わず吹き出した。
おじさんを踊らせていたのは、ただの「蛾」だったのだ。
それも決して大きくない、ちっちゃな蛾である。

脅威を感じさせないモスラとそれに逃げ惑うおじさんの動きには
見事なコントラストが付いており、当然の如く乗客の視線が集まった結果、
車両の中央は一転して立派なセンターステージと化した。
モスラが再び飛び立ち、おじさんに向かう。

おぉ!

乗客がおじさんに注目する中、
ステージではちょっとした変化が起こり始めていた。
おじさんの周囲には他に四人の乗客が立っていたのだが、
驚いたことに、その人たちもおじさんに合わせて動き出したのである。
多分それは、(おじさんの動きと表情から)ひどく危険なものが
自分の近くで飛んでいると瞬間的に誤った想像をした結果の、
自然な行動だったのだろうが、逆にその動き方が微妙に不自然。

人間の行動は直前に見たものを真似しやすいのだろうか?
ちょっと捻ればよいものを、他の四人もおじさん同様の
かなり激しい円周運動に突入したのである。
ステージは一層賑やかになり、おじさんを中心に据えた五人組は
なんてことないちっぽけな蛾に翻弄され、
まるでEXILE(エグザイル)のようにシンクロして踊り始めた。

なんだか、とても凄いシーンになっていた。

時間にしてほぼ一分間ほどのステージだったと思う。
電車は速度を緩め、駅に進入し、佳境の極みで停車した。

おじさんは通勤カバンを乙女チックに両手で抱きしめ、
今にも泣き出しそうな表情で隙間を突き破るように
ダンサーの輪の中心から飛び出した。
ドアまでの距離はそのまま花道となり、
小走りでホームに降り立ったおじさんの背中からは
「もうイヤ~ッッ!」という心の叫びが聞こえたような気がした。
ステージを退いた後も蛾がついてきた感触があったのか、
おじさんはホーム上でも何度か首をクネクネ、肩をカクカクしていた。
あのおじさん、相当の虫嫌いだったんだろうなぁ。

まさに『Choo Choo TRAIN』
こういう電車に乗車できた日はとても得した気分になれる。
56's profile
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Goro
年齢:
67
性別:
男性
誕生日:
1957/06/07
自己紹介:
東京の下町(深川)で生まれて育ちました。ギター演奏と写真撮影が趣味。神楽坂と北海道が好きです。
56's hobby 【Guitar】
ギタリストの岸部眞明さんの音楽に出会って感化され、46歳の時からギターを弾き始めました。下記のページに録音音源をアップしています。

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Hiramitsu-SJ 56's custom
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*******工事中******* 趣味で撮影した写真をBGM付きのスライドショーにしています。
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